こういう時だから本を読む

TAKASU Masakazu/高須正和
4 min readApr 17, 2020

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しばらくSNSから距離を置いて、読書する時間を増やしている。
自分の関係した記事やイベントがアップされたりしたときはつぶやくけど、他ではなるべくTwitterやFacebookを見ないようにしている。ほしい情報や、他人からもらいたいエネルギーは、今そこにない。

かわりに本を読む時間を増やしている。無料で使えるブクログという読書ログのサービスに登録して、読み終わったら簡単にレビューしている。

ブクログで公開している自分の本棚

活動の現場が深圳の僕は、1月からずっとCOVID-19の話を見て、いつごろアパートに帰れるかなどをチェックしていた。3月の中頃~終わり頃から日本や欧米にも新型コロナウィルスの話がやってきて、自分の中ではひととおり見終わった話で、ネットがいっぱいになっている。もちろんそれぞれは意味があるのだろうけど、今はあまりSNSに時間を使いたいと思わない。頭に血が上っている人も多くて、面白いことをシェアするのも気が引ける。
かわりに何に時間を使っているかというと読書だ。

たとえば「貿易戦争の政治経済学」は、グローバリズムについて批判的な検証を、グローバリズム支持派の学者が誠実に行った面白い本で、
・国ごとの施策の違いは埋めづらいこと
・実際に重商主義的な政権が、アメリカでも欧州でも出てきていること
・それでも世界的に解決しないとならない問題はあるので、世界政府的な役割が期待されている(WTOやWHO等)が、それも問題があること
など、面白い問題提起と検証に満ちている。むしろ新型コロナウィルス以後の今読んだ方が面白いだろう。よく考えて書かれた本は、トレンドを超えて残るので、どうせ書籍で読むならそういうものを読みたい。

そろそろ中年も後半にさしかかる僕は、インターネットのない学生時代を過ごしていた。高校や大学のころはヒマなので図書館で借りて本ばかり読んでいた。本を読める時間と本を買えるお金では、時間の方が貴重だった。社会人になってしばらくもインターネットは従量課金制だったので、ネットよりも本に時間を使っていた。
今はいつのまにか、読み切れない本がKindleに貯まるようになっていた。エッセイみたいな、娯楽としての読書もあまりやらなくなっていた。そのぶんSNSをやる時間は増えていたのだろう。今は習慣を変えるいい機会だ。「必要だから読む」毎日から、「暇があると本を読む」ように習慣を変えたい。

先日出た、読むべき本・ダメな本(山形浩生)を見ながらamazonで何冊も買ったけど、読んだのは片手の指ほどだ。

今は移動できないぶん時間が余るので、1日1冊ぐらいは読むようにしている。自分の著書などは後付けでリストにいれたので、この数まるごと読んでるわけではない。

読書は習慣なので、意識的に読む時間を増やした方がいい。なのでログをつけ始めた。ここに書くのも面倒になるような本(Kindle Unlimitedで公開されてる昔のマンガとか)も読んでるけど、ログつけるのが面倒になるような本だとログにいれないから、本棚の公開は、多少「読むのに体力が要る本」を読むモチベーションになる。読書メーターほか、似たようなサービスは多くあるので、気に入ったのを使うのがいいと思う。

また、今はインターネット時代なので、メチャメチャ面白かった本だと著者の連絡先を探してファンレターを出すこともできる。けっこう返事がもらえたり、向こうが僕の本を読んでいるようだと、オンラインで少し話をできたりする。ありがたい。

今回みたいに、時間があるときがどれだけ続くかわからない。でも、「この数ヶ月何やってたっけ?」と思ったときに、こういうことで時間を使っていたほうが、楽しい未来が待っていると思う。

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Written by TAKASU Masakazu/高須正和

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